塩は人体において「ナトリウムイオン」と「塩素イオン」の状態で存在し、
これらは生命維持に不可欠な働きをしています。
食べた栄養素の吸収を助けたり、身体のあらゆる機能を調節するだけでなく、微生物の繁殖を防止したり、
体液をアルカリ性に保つといった作用もあります。
一方、食塩摂取が一日10g以上の近代的な食生活を営む民族においては、かなり高率で高血圧の発生が認められることより、
厚生労働省は目標の摂取量の上限を一日10gと定めました。
しかし、1988年に発表された食塩摂取と血圧の関係を調査した大規模な疫学調査である「インターソルト・スタディー
(32ヶ国、約1万人)」の結果では、食塩摂取量と血圧値には直接的な関係がなく、むしろ肥満とアルコール摂取やミネラル
(マグネシウム等)の摂取不足の方が影響を及ぼすというものでした。
すなわち、健康を維持するには何よりも生活習慣が基本であるということを示唆していると解釈できます。
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塩は、海水または塩を含有する地層、いわゆる岩塩からいろいろな工程を経て製塩されます。
そのいくつかの方法をここに紹介させていただきます。
陸封された海水の水分が蒸発し、塩の層ができます。これが地層に組み込まれて岩塩層ができます。岩塩層を採掘して、 粉砕するだけで食用になるものと、粉砕後に溶解して異物を除き再結晶させて食用となるものがあります。
塩田池に海水を導入して太陽で水分を蒸発させて塩の結晶を採取します。
海藻に海水をかけて乾かし、この繰り返しで海藻の表面に塩を付着させます。これに海水をかけて濃い海水を作り、筒型や 壷型の土器で煮詰めて塩の結晶を作ります。
砂浜に海水をまき、砂に塩を付着させます。これを集めて木枠の井戸に入れ濃厚な塩水を作ります。これを釜で煮詰めて 塩の結晶を作ります。
竹の枝を逆さにつるし、海水をかけて、この繰り返しで濃い海水を作り、これを煮詰めて塩の結晶を作ります。
通常一般的に使用されている塩の製法で、安価で大量にできるのが特徴です。海水中に含まれるナトリウムと塩素を電気的 な力を使って移動させ、濃縮します。 減圧蒸気釜で水分を蒸発させ塩の結晶を作ります。